全村博物館構想とは
全村博物館構想(以下、「全村博」という)は村全体を屋根のない博物館とみなし、そこにある歴史や自然、文化、生活を博物館にあるような価値あるもの(=地域資源)と考え、大事にしていこうとの取り組みです。ここに住む人自身が地域資源を知り、学び、活用することで、より豊かな生き方のできる地域をめざします。
全村博の歴史
全村博のスタート
2000年頃、阿智村では東山道・園原地区の歴史保存と活用が議論されます。住民・行政がともに議論をしていく中、学習会において「全村の歴史や生活文化を丸ごと博物館にする」エコミュージアムの考え方が提案されます。それを受け、議論していた人たちはエコミュージアムの実現を目指すこととなります。
2008年、阿智村第5次総合計画に阿智村版エコミュージアム「全村博物館構想」が位置づき、行政としても取り組みを本格化します。2008年5月には東山道・園原ビジターセンターはゝき木館が開館します。以来、役場に担当を1人配置し様々な取り組みを進めます。
大事にしてきたことは、「住民が主体的に取り組むこと」です。住民自らが各地区で道や史跡などを調べたり、自然を保存する取り組みなどに取り組んできました。その地域にあるものに新たな価値を見出す取り組みを自分たちが楽しむこと、取り組んでいる人同士が交流すること、またその取り組みが外部の人たちから評価されること、これらの相乗効果によって全村博は進んできました。
2020年、駒場地区で古民家活用の取り組みがスタートします。古民家を残していくためには建物を使っていくしかなく、使いながら古民家を維持するための費用を得ていくことが必要です。こうした活動を継続していくためには現在のネットワーク中心のやり方では不十分であり、法人格をもつ事業体が必要ではないかとの声が出てきました。全村博物館構想企画委員会、活動に取り組む人たちで議論が始まりました。
2021年3月には全村博物館構想企画委員会が村へ全村博物館協会の設立を提言します。この提言を受け、村と住民での議論が進みます。
全村博物館構想推進条例の制定
2021年12月、阿智村は「阿智村全村博物館構想条例」を制定しました。これにより行政における全村博物館構想の位置づけを明確にしました。
条例制定に際しては「阿智村全村博物館」にするのか「阿智村全村博物館”構想”」にするのかが議論になりました。活動が一定根づいて来た今、「構想」をとってもいいのではないかとの意見もありました。結論的には常にその在り方を問い続け模索していくことを大事にしようと”構想”を残すことにしました。
一般社団法人阿智村全村博物館協会の発足
長らく全村博に関わってきた人や古民家活用に取り組むメンバーの中から法人格の協会をつくろうと決意する人たちが社員となることを決めました。さらに全村的な取り組みとして進めるため、村内各地域からも社員が加わり、2022年7月、「一般社団法人阿智村全村博物館協会」を設立しました。
村内各地の地域資源を調べたり、活用するため、民間の事業体として行政とも連携しながら活動に取り組みます。
これまで15年以上にわたり、阿智村のたくさんの地域資源に関し、様々な活動が行われてきました。今後も調査・研究・展示などに取り組み、楽しく身に成るように広げていきたいと思います。地域作りの主人公として、住民の力を高める活動にご参加ください。
代表理事 林 茂伸
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(一社)阿智村全村博物館協会の活動趣旨に賛同し、一緒に活動する「協働会員」を募集しています。
年会費
年会費は1,000円です。入会金はありません。
会員特典
- 協会に様々な企画提案をすることができます。
- オリジナルグッズが年1回届きます。
- 有料施設などを会員特別価格で利用できます。
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